vol.4「陶器と磁器」
「土」は陶器(土もの)で「石」は磁器。
一般的にいって「土」は薄く作りにくいから自然と厚みが付き重め。磁器は薄く作れるから軽い、というイメージが浸透している。(土や石の素材の丈夫さが、うつわの厚みを付けたり薄くさせたりするわけだけど、土の種類によっては軽くも薄くも作ることができる。)磁器は軽いって言っても、みんなが普段使ってるうつわの重さ。
なんで、皆さんの家にあるのが磁器なのか分かるかっていうと、工業製品はほとんどが磁器だから。かくいう僕の実家も、ほとんど磁器。(街の食器店やデパートでも品揃えの多くが磁器製品だから普段使っているうつわが磁器なのは当り前の話しなんです。)磁器は扱いやすい。陶器と比べて丈夫だし、大量生産は安い。陶器も磁器も作る時は、高温(1000度以上)で焼く。(焼くことを、焼成(しょうせい)っていうのはけっこう初めの頃に覚えたっけ。)
陶器は土だけで完成させると水漏れしたり、しみ込んだ汚れが取れなくなったりする。土だからしみ込みやすい。だから、釉薬(ゆうやく)という薬(くすり)を掛けて焼く。薬と聞くと、「えっ!?」って思うかもしれないけど、実はほとんどがガラス。ガラス質でコーティングするから、水漏れしにくくなったり、汚れを落ち易くする。釉薬は(土とガラスの収縮率の違いによって)ヒビが入る。
このヒビを貫入(かんにゅう)っていう。 貫入自体は焼く時に出来る副産物なので何ていうこともないらしいけど、これをデザインとしてあえて貫入を入れたり(意図的に入れられるのも技術)、見ている人が「きれい」とか「すごい」なんて感じたりする部分でもあるわけ。もちろん、ガラスでおおってもヒビ(貫入)が入るから、そのヒビから水分がしみ込んでいく。
だから、土もの(陶器の事を「土もの」って言う)は、食べた後、汚れたものと一緒につけ置きしない、とか、使う前に水で浸してから使うと、まくが張って汚れにくくなったりする。それでも少しづつ色はうつわに残っていく。でもこれを汚れだとは思わずに、「味」として楽しんで欲しい。だって味が出て来るのは土もののうつわだけなんだから。
ここまで書くと、なんだ土ものって使うの面倒じゃんって思うかもしれないけど、書いてある事を全部守る事はある意味、理想だと思う。
僕の家では、使う前に、いちいち水でぬらすこともしないし、ほんのちょっとなら、つけ置きもしちゃう。(汚れやすいっていっても、そんなにすぐには汚れが目立つわけじゃないし)
とにかく、磁器と同じように普通に使う。(でも、うつわによってはOUT! な事もあるからね。うちの失敗談。粉引のうつわにマリネを盛って放置してたら、洗って乾かした後もずっとシミが出っぱなしになってしまった。。グスン)
ただ、手をかけて使えば、使うほど、応えてくれる、そんな生きてるようなうつわが土もの。だから、うつわ好きは土ものが好きなのかもしれない。ゆっくりと自分の生活にあわせて、うつわも馴染んで来る。その家のものって感じになって来る。日本人らしいといえば、やっぱり土ものの方が日本的な食器なのかな。
食器なんかなんでもいいよって思っていた僕。そういう食器を普段、自分が使ってたから、そう思っていたのかもしれない。でも、お店に食べにいって紙のお皿で出てきたら、きっと「ムッ」とする。コンビニや、惣菜屋などで買ってくるポリの容器よりも、自分の家にあるお皿に移した方が美味しく感じる。普通の食器と「作家もののうつわ」だったら、どっちでもいいかもしれないけど、入れるうつわによってやっぱり差はでてきちゃうんだなぁって感じる。
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