vol.20「見えるものと見えないもの」
僕の事を正直に書いた方がいいのかなぁ・・と、さんざん悩んだあげく、今回の原稿を迎えた。でも、かつて僕が思ったように、初めて「作家もののうつわ」を買って下さったお客様も感じることかもしれない、と思いやっぱり書く決心をした。
Cesnがスタートして「作家もののうつわ」を手にした時、僕と奥さんの感じ方は分かれた。(龍と虎にはならなかったけど)時々、僕には、どこがいいのかさっぱりわからないうつわが送られて来た。(「作家もののうつわ」初心者なんだから当たり前の話しなんだけど。作品を選んでるのは自分じゃないし。)「え?すごくいいよ〜」と、奥さんはよく言った。
「作家もののうつわ」を初めて手にした時、お客さんに、僕と同じ様な気持ちを味わってもらいたくない。僕の場合は、奥さんが説明してくれたり、その後もCesnを通して、うつわを見てきたから、今は初めの頃よりは、はるかに「いいじゃん」って思えるまでには進歩した。自分は好きじゃないけど、「作品として」いいねって思えるようになるまでは進歩した。(正直いうと、まだ、わかんない時もあるんだけど。。それでも説明されると理解しやすくなった)
お客さんが、初めて「作家もののうつわ」を手にし、そこで懲りてしまったら、修正する場は失われてしまう。それを評価してくれる導きもない。
なぜ、懲りるかといえば、ひとつは価格。二つ目は作品への理解。(価格が)これだけして、特にすごい事が自分に伝わらない時、買う事をやめようと人は思う。どこかいいのかを理解できない時、人は自分の理解できる範疇の外に、それを置く。(いいんだろうけど、私にはわからないなって。)(だから自分は、もう買うのよそうって。)
「作家もののうつわ」も奥が深い。うつわの世界は短期間でいろんな事を会得する事はほとんど無理。短期間で体得できるのは文章化された「知識」の部分ぐらい。沢山、時間をかけて見ていくうつわを通して、何がいいのか、どこがいいのか、完成度がどれくらい高いのかが、じっくり時間をかけて、その人の中に感覚的に培われて来る。(実は、単にたくさんうつわを見てもスキルは上がらない。やっぱり「いいもの」を見る事が「いいもの」を選べるようになる。)
じゃ、やっぱり買えないじゃん。って思うかもしれないけど、その初めの頃の僕にも「これ、いい」って思えた時は、少なからずあった。それは、デザインだった。
デザインがいい時(自分の好みに合ってるときだけ)は、「いいじゃん」って単純に思えた。最初のうちは、デザインが自分に合ってるかで判断するのがいい。自分で「これ、かわいい。ほしい」って感じたものを選ぶのがよい。(実は、かなりうつわ好きで見てる人でも、結局、自分が直感的に、もしくは感覚的に「好きなうつわ」を買っていく。当たり前といえば、当たり前の話しなんだけど、そう考えると素人も玄人もないね。)
でも、そのあとも「作家もののうつわ」を見ていくと、何年かしてから(完成度が高ければ)、きっと「これ買ってよかったなぁ」って思えて来るよ。必ず。
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