vol.17「ザ・マニアック」
作家ものの技法は、並み大抵ではない時間と技術を必要とするものや、驚くアイデアがあったりする。一人一人の「技法」は、「毎月、Cesnでの技法」に紹介されているので、前回にならって、特に僕の印象に残っているものを少し思い出してみようと思う。
土で金太郎飴のような緻密なパーツを作りそれを切って並べていく。可愛らしい文字やデザインを針金を使ってうつわ全体に掻き落としていく。ガラスのうつわを作る時に細かい空気の泡(気泡)をピンセットで一つづつ位置をきめる。急須の穴(茶こし部分)を200コ作る。陶器なのに磁器よりもはるかに薄く作っていたり、土ものでありながら、とてつもなく軽かったり、と、作家ものの技法は、根気と集中力を必要とするものが少なくない。逆に感性だけで作っちゃうのもすごいよね。(だって、それでいいものができちゃうんだもん)
これからも、ビックリするような技法が出てきたり、もうちょっと、簡単に作っちゃえば、いいのに〜って思うものが出て来るんだと思う。完成品だけを見てると、「きれい」とかだけで終わっちゃうけど、どうやって出来るのかを考えると、なんか一歩奥へ入った気がする。技法を少しづつでも記憶していくことは(僕の経験からも)うつわを見る事に重要で「作家もののうつわマスター」(ほんとは遥か遥か高い山の頂上)に近づく近道の気がする。
「作家もののうつわ」にもコレクターはいる。ある作家さんだけを追いかけ、その作家さんだけのうつわを集める「おっかけ」の人たち。蓋がついている作品を主に買い集める「ふたものマニア」の人たち。作家ものの急須を中心に集める「急須コレクター」の人たち。作家もののうつわがとにかく好きな「作家もの好き」と、他にもいろんな人たちがいる。
実は、僕が初めて、これを聞いた時はビックリした。だって、何にでも好きで集める人はいるけど、「作家もののうつわ」も、いるんだって知らされるとやっぱりビックリする。(「作家もののうつわ」初心者の人たちから見ても「うそー」って思わない?)
でも、こういうお客さんこそ、とても大切で、こういう人たちがいるから今の作家もののうつわの発展があるんだと僕は思う。言ってみれば、「作家もののうつわ」を支えている人たち。もしくは、現代工芸を育てている人たち。(お客さんも買う事でうつわを作ったり文化を育てたりする事につながっている)こういう人たちが、いなくなると日本もだんだん文化が育たなくなっちゃうんだろうなぁって思ったりする。
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