vol.15「不意に憶える瞬間」
Cesnを始めて2年以上が経過した。これまで沢山のうつわを見てきた。Cesnで。一緒に出かけたギャラリー、デパート、作家さんの家。ざっと数えただけでも2000個以上。いっぱい見たなぁ、と別に自慢するわけじゃないけど奥さんにそう言ったら、
「私はどうなの」と言われちゃった。確かに奥さんの見てきた数は、この10年でうつわだけで3万点を優に越える。いい作品と見定めて行くギャラリーやデパート、美術館などに限っても。いってみれば足で見てきた数字には頭が下がる。(陶器市や食器店などを入れたら倍以上になっちゃう。ふへ〜。。)
これだけの数はなかなか見られる数じゃないんじゃないかなぁ、と思う。じゃ、誰よりも見てるかっていうと、それも疑問。愛好家と比べると、それ以上見ている人も少なくない、と思う。家に届くDMも、僕が見ても知らない人ばっかり。Cesnでやってもらった人と、あと、有名なちょっとの人ぐらいしか僕にはわからない。
初心の皆さんは、「こんなに私には見れないから無理だー」って感じなくても平気。これは恐らく「うつわを見る」という事では多い方に入ると思うよ。自分のペースで、うつわを楽しめばいいんだから。マイペースでね!
その見て来た沢山の作家さんから、Cesnでやってもらうのに合った人を選ぶ。掲載までたどりつく人もいるし、そうでない人もいる。美術(現代美術)、うつわという業界(現代工芸)にいた奥さんも時には根を上げそうになる。「いい人、見つかるかなぁ・・」そうなんだ。。(今さらながら大変なんだなぁと、人ごとのように思ったりする。)他のサイトでも、最初の頃に比べると、ずいぶん、作家もののうつわを扱うようになったと思う。奥さんでさえこれだと、たとえ実店舗があったとしても、大変なんだろうなぁとも思う。
私達のように毎月、作家さんを取り上げていくことは、難しいんだな、と改めて思う。(誰でもいいならできるかもしれない)毎月作家さんを取り上げるギャラリー形式は、たとえ実店舗のギャラリーであっても、実はやっぱり大変なんだと僕は、感じずにはいられない。もっとも、Cesnで作家さんにやってもらうには、奥さんだけの力ではない。私達に尽力してくれた佐藤さんという人がいてこそ、普通ならやってくれないかもしれない作家さんまでも、協力をしてくれている。
僕は奥さんだけでなく、佐藤さん、Cesnでやってくれた作家さん、皆に感謝せずにはいられない。もちろん買ってくれた一人一人のお客さんに対しても感謝の気持ちでいっぱいになる。
時に自分達は、うつわ屋さんなんだろうかと考える。。うつわという陶磁器・ガラスを扱うお店なのか、アートという枠のはじっこの方にでもいるお店なのか。インターネットという単なる通信販売のお店なのか。作家さんは、アーティストであっても、私達がアートに関係しているとは限らない。ましてや僕はパソコンの前で、カタカタと作るのが主な仕事。アートいう枠の中に生きているんなら、なんか、すごく嬉しいけど。
でも、Cesnで掲載する作品は「アート」色の強いものだと思うし、作家さんにもそれは言える。それを買って下さるお客さんが「いいもの買えた」と思って下さるだけで、最近はいいと、思うようになってきた。別に自分がアートの世界に身を置かなくても、みんなが良ければ、それでいいのだ。いいものを作る日本。いいものを使う日本人でいて欲しい。
|